一番大きな違いは、所有権の問題です。
マンションの場合、居室部分を専用部といい、バルコニー (専用庭を含む) は、エントランスや
廊下と同じ 共用部であるということです。

非常時には、避難経路として使われます。 ですから、バルコニーの床面に避難ハッチが
ある お部屋の場合、これを塞いではいけません。 また、隣家との間の隔板も同様です。
また、防水の観点から 躯体部分 (壁や床) が傷つく様な施工方法も取れませんし、
外観が大きく変わってしまう様なリフォームも、避けたほうがよいでしょう。

こうして 制約の多いマンションのバルコニーですが、工夫次第で 快適な 『 アウトドアリビング 』 に
生まれ変わらせることが出来ます。

 

 

入居時には、意外と見過ごされがちですが、マンションには、その建物や設備を良い状態に保ち、
快適な暮らしを維持するために、大規模修繕工事が行われます。
(修繕やリフォームが必要な事は、戸建住宅でも同じですが。)
修繕の時期や工事の内容については、個々の管理組合で話し合って決められることですので
一概には、明言出来ませんが、一般的には、竣工後 10年〜15年が第1回目の目安とされいます。
内容は、外壁の特に防水関係の修繕が中心となります。 当然、バルコニーも工事範囲に含まれますので、
工事期間中は、バルコニーの物を別の場所に移さなくてはなりません。
つまり、大規模修繕工事の時が、バルコニーガーデンの見直し時期といえます。

大規模修繕工事の話をすると、たいていのお客様は、『 もったいないなあ〜 』 と感じられます。
そんな時 私は、車を例にとって お話をさせていただきます。
「同じ車に10年以上、乗り続ける人は、あまりいませんよね。 100万、200万。あるいは、それ以上高価な
新車を購入しても、数年で買い換えるのが普通です。 バルコニーガーデンは10年以上 楽しめるのだから
その価値は、十分に実感していただけると思いますよ。」 と、要は、価値観の問題ですね。

 

 

マンションは、巨大なコンクリートの塊です。 真夏の太陽が起こす バルコニーの照り返しは、室温に大きく
影響を与えます。 ウッドデッキは、昔で言えば「スノコ」のようなもの。 バルコニーの照り返しを抑え、室温の上昇に
歯止めをかける効果が期待できます。 ウッドデッキの上から‘打ち水’をすれば、なお良し。
「 緑 」 は、実際の効果以上に見た目に涼しさを与えてくれます。
真冬の寒さも、冷たいコンクリートの印象を ウッドデッキの持つ木のぬくもりが、和らげてくれます。
屋上緑化などと、大げさなことを言わなくても、ほんの少しのことで快適な環境が得られるのです。